2008年3月14日金曜日

監査法人勤務の公認会計士によるインサイダー事件

先日、新日本監査法人に勤務している公認会計士が、監査業務を通じて知った財務情報を基に株式を売買するという事件が起こりました。
同じ公認会計士ということもあり、極めて残念な気持ちにさせられた事件です。個人的には是非厳罰主義で臨んでいただきたいと思っております。



どうすれば再発防止を出来るかと考えて見たのですが、現状行われている、一定のルールを定めて制限しルールを破ったものに厳罰主義で望む、以外に特に良いアイデアも出ませんでした。



強いて言えば、監査業務に従事している公認会計士の株式取引を全面的に禁止する事ぐらいでしょうか。



ただ、これは決していいアイデアではないと思います。



公認会計士は全部で2万人以上おりますし、大手監査法人に勤務している公認会計士等だけでも1万人弱おります。これだけの規模だと、どんな対策をうっても悪いことをする人はいるでしょう。

また、大多数のインサイダー取引などとは無縁の公認会計士の財産権を侵害する恐れがありますし、もし、監査業務に従事している公認会計士の株式取引を全面的に禁止するのであれば、公認会計士だけではなく、新聞記者、証券会社勤務者、金融機関勤務者を始め、下手をしたら上場企業勤務者などインサイダー情報に触れる可能性がある人達の株式取引を全部禁止にしなければ不公平になってしまいます。
さらに、全面的に禁止にしたところで今回のような他人名義のインサイダー取引を防ぐことは出来ません。

私もそうでしたが、公認会計士で株式取引を行っている人は多いと思います。ただ当然ですがインサイダーとなりそうな取引どころか、少しでも疑念が生まれそうなの取引は一切行っていませんでした。他の公認会計士もほとんどの人がそうだと思います。



今の私は一切株式取引を行いませんし、監査業務にも一切従事していませんし、今後株式取引を再開する予定もありませんので、公認会計士の株式取引制限がどうなろうとも関係ないのですが、今回の事件を機に誠実に業務を行っている多くの公認会計士たちに対して過度に厳しいルールが課されなければ良いと思います。