2007年6月28日木曜日

信念と継続

最近読んで心から感動した本にレイ・クロック「成功はゴミ箱の中に」 という本があります。英語の原題は「GRINDING IT OUT」といい、マクドナルド創業者であるレイ・クロックの自叙伝で、ファーストリテイリングの柳井正社長とソフトバンクの孫正義社長が二人して「これが僕たちの人生のバイブル!」という風に推薦しています。一時期プレジデントでも大々的に扱っていたのを本屋で見た人も多いのではないでしょうか。

本の題名ですが、本文中に競合相手を調査するのにお店のゴミ箱を調べた、という内容が書かれていることからか、日本での題名は「成功はゴミ箱の中に」となっています。しかし、私はこの本を読み終えて、この本のメッセージには原題の「GRINDING IT OUT」が相応しいと思います。日本語で「やり遂げろ」としてしまうのも、言葉のある一面だけが分かりやすく表現されすぎることで他の部分がうまく表現出来なくなっているような気がします。

この本は全部で16章からなっており、レイ・クロックの人生の物語になっています。仕事を始めてからセールス兼ピアニストとして生計を立て始めた事、マクドナルドを創業して成功させた事、球団を買収する事、また私生活で二度の離婚と三度の結婚の事など、彼の人生の中の出来事を物語のように、読み物のように軽いタッチで書かれています。

私も最初はaegifに当てはめながら軽い気持ちで読んでいました。しかし、読み進めていくと彼らは物凄く大きな問題に何回も阻まれ、毎回当然の様に自分たちが正しいと思った方法で、しかも簡単に乗り越えていきます。その様子を見て、段々引き込まれていきました。もちろん、実際にはそんなに簡単に乗り越えて行った訳ではないというのは分かりますが、結果としてそれらを乗り越え続け、今のマクドナルドを創り上げたということは間違いありません。

そうこうしているうちに16章まできました。最後の章です。このあたりになると私は、レイ・クロックに感心仕切りです。この章では、彼の社会還元活動や彼の信念が書かれています。

私は、彼の一番の社会還元活動は、誰かにいくら寄付したということではなく、マクドナルドに関わった人の多くが成功し、マクドナルドというサービスを提供して多くの人を幸せにした、ということだと思います。これは正に我々が目標としている「事業を通じて社会に貢献する」ということの一つの実現例です。

また、彼の信念は、レイ・クロックがアメリカで50年前にマクドナルドを創業し成功するためだけに通用するものではなく、だれでも、どこでも、いつでも、なににでも通用する普遍性の高いものだと思います。

私も信念を持っていますが、継続と実績によって証明できていません。これから、もっともっと精進しなければなりません。

以下に私がもっとも感動した文章を紹介します。

「やり遂げろ―この世界で継続ほど価値のあるものはない。才能は違う―才能があっても失敗している人はたくさんいる。天才も違う―恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。教育も違う―世界には教育を受けた落伍者があふれている。信念と継続だけが全能である」

「誰かに幸福を与えることは不可能だ。独立宣言にもあるように、唯一できることは、その人に幸福を追う自由を与えることだ。幸福とは約束できるものではない。それはどれだけ頑張れたか、その努力によって得られる、その人次第のものなのだ。」

私は、強い信念を持ち、継続し続けます。社会に貢献できるように頑張ります。

2007年6月25日月曜日

社内制度

aegifもメンバーの数が増えてきたことで、最近よく感じることがあります。



会社の戦略に関すること、人事に関すること、仕事に関すること、などの社内制度に関してメンバー間でちょっとしたズレが生じ始めているのではないか、ということです。
メンバーの数が今より少ないときには、何か分からないことがあればすぐその場でメンバー同士話をすればそれで解決していました。
しかし、徐々に人数が増えてきたことで、同じ方法でメンバー同士の意思の統一を図ろうとすると以前よりも相当多くの個々のコミュニケーションが必要となります。
また、コンサルティングに関する仕事を行っていれば、オフィスで顔を合わせる機会が少ないメンバーも出てきます。



おそらく、組織の規模が30人くらいまではこのままでもなんとかいけるとは思うのですが、きちんと整備すべきものは整備した方が良いに決まっています。ですので、これから急ピッチで社内制度を構築し、必要なものは何らかの形で明文化していかなければいけません。
そして当然一度決めたものについては、きちんと運用すると共に、絶えず改良していかなければならないでしょう。



以下にいくつかaegifの社内制度をご紹介したいと思います。これらの制度は、メンバーのためにどんどん追加・改良していきます。



①アサイン制度
仕事のアサインを行うにあたり、事前に本人にその仕事の意義、重要性、アサインの理由などを十分説明します。その上で、本人の希望するキャリアプランとあわない場合には断ることが出来ます。ただし、半年のうち最低3ヶ月はアサインされなければならない、という制約をつけています。



この制度は、メンバーが会社へのコミットメントを果たせると同時に社内の自分のキャリアプランを自分で決められる、という事を考慮して決めています。



②社内コミュニケーション制度
aegifでは毎年定期的にイベントを行う予定です。
去年の年末には、オフィスを開放して忘年会パーティを行いました。様々な方に来ていただいてaegifのメンバーも加えると40人以上の方に参加していただきました。



また、来週の6月30日にもaegif主催で「BEER! "SUMMER NIGHT CRUISE 07"」というイベントを行います。こちらはなんと200名もの方に参加していただく予定で、しかも一部キャンセル待ちの方までいらっしゃいます。参加希望を表明してくれたにもかかわらず参加できなかった方には本当に申し訳ない気持ちで一杯です。



これらのイベントは、社外の方にaegifという会社・メンバーを知ってもらおうという事、メンバーが楽しめる場を提供したいという事、イベントの企画・マネジメントを通して仕事におけるマネジメントを学んでもらいたいという事等の理由によって今後も継続的に行っていこうと思っています。



2007年6月21日木曜日

ファンド vs 取締役会

最近はM&Aなどの報道がよく行われています。そこで気になるのが、ファンドと取締役会の攻防です。



前回の私の投稿に当てはめると、ファンドは株主、取締役は経営陣となります。そもそも両者の利害が相反する場合があるのは当然だとしても、私はこの攻防に対して何となく違和感を覚えています。



一部のファンド株主は、短期的な収益を求めているようなものが多く、表面上は企業価値向上のためと美辞麗句を並びたてていますが、本当に企業価値向上のために行動しているのか、信用できません。短期間で株を大量に取得して、会社へ大幅な増配を要求したり、グリーンメーラーのように株の買取を要求したり、短期的な利益の追求へ血道をあげています。言葉では、そうではないと言っていても行動を見れば、どう見ても説明が出来ないことを平気で行っているものもあります。
一方、一部の経営陣は、株主から委任されて経営陣になったというよりも従業員から出世して、取締役や社長になっているため従業員意識が抜けず、会社の経営者としての意識が希薄なように思います。



そのような株主や経営陣が、企業価値の向上や適切な事業計画の作成といった建前上のツールを使って、自分たちの利益や立場を守るために、他の大切な関係者の事などお構いなしに攻防を繰り返しているようにしか見えません。
もちろん全てのファンドが企業価値向上を目指していないわけではないですし、経営陣にも立派な方はたくさんいらっしゃると思っています。



この構造の背景としては、それぞれの収益構造が根本的に違うということも原因の一つではないかと思います。ファンドの報酬は、業績連動性になっていることが多く、管理報酬と成功報酬があり、成功報酬は過去の計算日の最高水準を更新した分に対して20%というものだそうです。
管理報酬から固定費を賄う事を考えると、ファンドマネージャにとって毎年利益が出ているとすれば、利益の20%が自分たちの収入になるのです。
一方、経営陣にとっては報酬の名称が給与から役員報酬になったぐらいで、金額もそんなに大きく増えるというわけではありません。賞与も完全に業績に連動しているわけではなく過去から大体決められた金額をもらうだけです。しかも、報酬の増額に比べて責任は圧倒的に重くなります。



結局、ファンドの短期的な収益を優先させるような報酬体系と、経営陣の従業員と変わらないような報酬体系をそれぞれの責任や役割に適した体系に変更しなければ、両者の適切な信頼関係は生まれないでしょう。
そして、本当に大切な事は株主や経営陣だけの利益を追求するのではなく、従業員、取引先、地域や国などの関係者全員が喜べる状況にする事だと思います。



例えば、シンプレクス・テクノロジーのように役員の業績連動賞与を明文化して開示し、経営陣に対してその功績や責任にたいして、ふさわしい報酬を与えるということは一つの方向性ではないでしょうか。



2007年6月14日木曜日

会社は誰のもの?

会社は株主のものである、という風に決められています。
法律的、形式的には疑う余地はありませんが、実質的には本当にそうなのでしょうか。
私はいつも疑問に思っており、正直まだ結論は出ていません。



では会社は誰のものでしょうか。
今のところ、私は会社は株主のもので「も」あるけれど、同時にそこで働く従業員、経営陣、お客様などの取引先、地域や国のものであると考えています。



株主は、会社へ出資することで、会社の重要事項を決めそこから得た利益の分配を受けます。
従業員は、自らの労働力を会社に提供することで、給与を受け取ります。
経営陣は、株主から経営を委任され経営結果について責任を持つことで、報酬を受け取ります。お客様などの取引先は、会社へ代金を支払う(または、商品やサービスを提供する)ことで、商品やサービスの提供(代金の支払い)を受けます。
地域や国は、公共サービスや公共インフラを提供することで、税金の徴収を行います。



これらの関係者は相互に影響を与えあっており、会社の規模が大きければ大きいほどその影響も大きなものになります。ですので、どれか一つの関係者のみが得をしようとした場合には、他の関係者には損を与えてしまう可能性があります。全ての関係者が自分の事だけではなく相手のことも考え、皆で喜べるように物事を考えなければなりません。

aegifという会社で、それぞれの関係者が自分たちの責任をきちんと果たし、よい関係を構築していければ良いと思います。
私には、それを実現しなければならない責任があります。それを実現することは、事業を通じて社会に貢献する、というaegifの経営理念の実現の一つだと思っています。



2007年6月13日水曜日

人事を尽くして天命を待つ

私の好きな言葉の一つに「人事を尽くして天命を待つ」というのがあります。



辞書を引くと「人としてできるかぎりのことを実行し、その結果は天の意思にまかせる」という意味です。



目的を達成するためには一生懸命努力しなければならないし、一生懸命努力しても必ず結果が出るわけではない、という当たり前のことです。



一生懸命努力するというのは大変難しい事です。私も、色々な困難にぶつかったときに途中で投げ出したり、もうやめてしまおうか、と思う事がしょっちゅうあります。そんな時に、本当に人事を尽くしたか、後で自信を持って天命を待つことができるか、期待通りの結果が出ないときもさらに努力を続けられるか、と考え自分で自分を律します。



この様に考えることで、私は諦めず一生懸命努力することができます。結果が思い通りにいかなくても、結果を素直に受け入れられます。次へ向かってすぐに走り出すことができます。



そして、不思議なことにそういうことを重ねていくと必ず誰かが見ているもので、いつかどこかのタイミングで突然、納得する結果が出る事が多いものです。私の経験はまだ少ないので帰納的に証明することはできませんが、今まではそうでしたし、これからもそうだと信じています。



また、もし結果が出なかったとしても胸を張って人事を尽くしたと言える状態まで持っていけたのであれば、無駄にはならないと思います。



それにしても、一生懸命努力したけれど、最後は結果にこだわらず天の意思に任せるというのは、生き方としてかっこいいものだと思います。反対に、色々な尤もらしい理由をつけて、「でも~」や「やっぱり~」と言って途中で努力を怠ってしまうのは、かっこ悪いのではないかと思います。



どうせなら、かっこ良く生きていきたいです。



2007年6月7日木曜日

経営理念

aegifのWebサイトの会社案内Topには経営理念を掲載しています。これは、aegifという会社のうち、どこを最も知っていただきたいのかということを考えたときに、経営理念をまず知って頂きたいという思いからです。



そもそも、aegifを設立しようとしたきっかけは、自分の周りの人たちに対する感謝の気持ちでした。
以前から、両親を始め、おいしい料理を作ってくれるお店の方、家の周りの掃除をいつもしている人、街の緑、偶然起こる嬉しい出来事、快適さを提供してくれる様々サービス、日本人に誇りを与えてくれる松下トヨタなどの素晴らしい会社等、色々な人や会社や物事や偶然にいつも感謝してありがとうと思っていました。
そう思っていた時に、偶然「ペイフォワード」という映画を見ました。ペイフォワードとは受けた厚意を、相手に返すのではなく次へ渡すことです。映画では世界中のみんなが、1つの厚意を受けたら3つの厚意にして次へ渡せば世界は変わる、と言っていました。



私が映画を観た時、「これだ!」と思いましたが、私1人で次へ渡すだけでは限界があります。そこで、ペイフォワードの考え方を何とか組織化して次へ繋げる仕組み自体を構築すればいいのだ、という私なりの結論にたどり着きました。



この事はaegifのvalueとして表現しています。



私は、aegifがこのvalueを実現できなくなったとしたら、その時どんなに会社が順調で利益を上げていても、会社の存在意義はない、と宣言しています。利益は仕組みを継続するための手段であって、目的ではありません。



aegifのvalueに同意してくれ、一緒に働いてくれるメンバーがこんなに短期間でたくさん集まった事に実はかなり驚いています。
そして、やっぱりこの事に感謝をして、ありがとうと思っています。