先日、リクルートから「大学生の就職志望企業ランキング」(PDF)が発表になりました。いわゆる就職ランキングと言われるモノです。
中身を見てみますと、特に目を引いたのは自動車業界です。
トヨタは−90位(6位→96位)、ホンダと日産はランク外のようです。
最近良くニュースになる自動車の販売不振が就職希望者の心理状況に影響しているのでしょうか。連日伝えられるビックスリーのニュースも影響しているのかもしれません。
一方で、東京海上日動火災保険(17位→7位)や三井住友海上火災保険(38位→13位)は大きくランクを上げています。
なるほど。
でもこれってちょっと変な感じがします。
最近のニュースなどで連日報道されているように新車販売は大幅に減少していますし、日本国内の自動車保有台数も減少局面となっています。となると、今後は日本国内における自動車の保有台数は減少していく事はあるけれど増える事はなさそうです。その影響で自動車会社は大幅に順位を下げているのでしょう。これは納得です。
一方で、上記損保2社の有価証券報告書を覗いてみると、売上金額のうち半分近くは日本国内の自動車関係の保険料によって構成されている事が分かります。
自動車の数が増えなければ自動車関係の保険料も増えません。これって損害保険会社の収益にとっては大きなマイナス要素ですよね。
となるとトヨタを初めとした自動車会社がこれだけ順位を下げている以上、損保も順位を下げてもいいのではないかと思います。
余談ですが、上記2社の収益のうち自動車関係の次に大きいものは火災保険です。
日本における世帯数は既に頭打ち直前まで来ており、5年以内にピークを迎えると推定されています。となると、日本国内における住宅の数は今後5年程度は現状維持か微増し、その後は減少していくと考えられます。
住宅の数が増えなければ少なくとも住宅関連に関する火災保険料は増えません。もちろん火災保険の対象は住宅だけではないと思いますが、こちらも損害保険会社の収益にとって大きなマイナス要素ではないでしょうか。
まあ、就職ランキングはその年の特徴を捉えている部分もあると思いますので、今は自動車が人気がないというのも分からなくはありません。
だとすると、全体的に金融が人気を維持しているのが、また不思議になりますが・・・。
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