2012年5月17日木曜日

430万円の時計を買いました。

え、高かったでしたっけ?

なんで時計がこんなに高くなるのかと言うと、機械式時計が高いのです。機械式時計はすべてがゼンマイとバネで出来ていますので、部品の数も多いですし、複雑な機能をつけようとすると天文学的に値段が上がっています。

よく、装飾品とか宝石が付いているとかブランドで高いと勘違いされている方もいますがそれは違います。(もちろん高い宝石が付いていたら宝石代で高いというのはあります。)例えば、エルメスはサイフとかは死ぬほど高いのに時計は結構安いんですよね。ブランドだけでは安い機構を使っている以上そんなに高くはできないからです。

その中でも、有名な超複雑機構は3つあります。
これが1個でもつくと安いものでも1,000万弱、高いものだと2,000〜3,000万にもなります。

まずは、ミニッツリピーター
これはナポレオンが遠征の時に夜だと時間が分からないから音で時間を知りたいといって作らせたものらしいです。音で時間がわかるんですよ、ナポレオンすげー!

続いて、パーペチュアルカレンダー
これは4年に1度あるうるう年を自動で認識して、時計についてあるカレンダーを調整してくれるものです。4年に1回しか動かないゼンマイが含まれていると思うとロマンがありませんか。しかしそもそも、土日付けないと動かなくなるものに4年に1度しか動かない仕組みを組み込もうと考えるなんて、その発想に脱帽です!

極めつけは、トゥールビヨン
これは姿勢差(針が上に上がるときは重力で遅くなるし、針が下に下がるときは逆に早くなるという事です)を修正するために、一定周期で時計の中身を一回転させるという機構です。そもそも月に40秒もずれるという基本的な仕組み自体を見直す事なく複雑化して解決しようとするなんて、その根性には頭が下がります!

で、私が何を買ったかというと、Breguetの5707GMTアラームという時計です。

これの複雑な所は、1つの時計で2つの時間を示す事ができるという事と、アラームが付いているという事です。結構複雑レベルも高いほうなのでタイトルぐらいの値段になります。

そもそも、なんでこの時計が欲しかったかというと、単に高い時計持ってたらカッコイイんじゃね?もてんじゃね?という安易な考えです。高校生とかがタバコ吸ったらもてる!と思うのと同じレベルですね。裏を返せば今もててないのはタバコを吸ってないからだ!と思い込むのと同じとも言えます。

とは言え、そんなに高い時計をそう易々と買えるわけありません。1年ぐらい欲しいなぁと思っていたら、たまたま買った投資信託が爆アゲしてあぶく銭がw

宵越しの金は持たないとばかりに江戸っこ気質(実際には江戸っ子ではありませんが)で買うことにしました、短絡的です。もちろん、そんなに予算があるわけではないので、定価で買うわけにはいきません。

どうするか?

中古ですよ、中古。
1ヶ月間時計の調査にほぼ全てのエネルギーとリソースを割り当てた結果、富山でなんとか買える金額のブツがあることを発見しました!

富山のお店では電車代が多く掛かっているためその元は取りたいという気持ちが強く、とりあえず値切る値切る。頑張って7万円値切ることに成功しました。こんな高い時計を買うのに値切るってのもお店の人はどう思ったんでしょうか。でもまあ、お陰さまで電車代ぐらいはカバーすることができました。

購入してしばらく使ってみたところ、やはり高い時計というのは色々気になることが多いです。機械式なのでズレる、土日使わないと止まる、大きいからすぐぶつける、そのたびにへこむ、などなど。でも、それこそが高級時計を持ってる醍醐味!毎日楽しく生活していました。

一番忠誠心を試されたのは修理に出した時です。
時計が動かなくなったので銀座のブレゲに持って行くと、日本では直せないとのこと。しかも、修理期間がどれぐらい掛かるのか分からない上に、金額も分からないって・・・。どんだけ〜と思いつつ、仕方なくスイス送りにしました。

結局かかった期間は8ヶ月で金額は42万円・・・
オレってMなの?ドMなの?と何回もツッコミました、さすがに。でも、それで忠誠心を証明できるなら安いものです。まさに時計の騎士、時計のためにお金を稼いでるようなものです。

スゲー、オレ!

・・・
まあ、とっくに売っぱらったんですけどね。

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