2015年4月9日木曜日

直接資料にあたって真偽のほどを確かめる事の大切さ

こんにちは。

先週春めいてきたとフジイメセンで書いたばかりですが、今週はずっと天気も悪く今日にいたってはまるで真冬の様な気温です。六本木ヒルズのオフィスからはチラッチラッと雪が見えていましたし、会社のメンバ曰く埼玉でも千葉でも雪が降っていたようです。寒いのは本当に嫌いなので早く暖かくなってもらいたいものです。

さて、先週は主に新卒社員向けに「自分のお金を何に使うべきか?」という記事を書きましたが、今週も先週に続きネットで話題になっていた記事を見て思ったことを新卒社員向けに書いてみたいと思います。とは言え、このテーマは結構いい年した年配の方々でも出来ていない人が多いと思いますので、自分も含め何歳になっても注意が必要です。

平成26年度 教養学部学位記伝達式 式辞

東京大学教養学部長石井君(私が卒業した大学では教える側も教わる側も人の名前は全て君付けでした)の式辞です。ちなみに、東京大学がこの手の事を書いたりすると「さすが"最高学府"!」みたいな反応があちこちでありますが、最高学府というのは一般的には大学のことです。つまり東大だろうが、慶應だろうが、◯◯大学であれば全て最高学府ですので注意をしてください。

内容としては、1964年の東京大学総長大河内一男君が語ったとされる「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」という言葉に関する3つの大きな間違いや誤解について触れつつ、直接資料にあたって真偽のほどを確かめる事の大切さを語っています。

最後は彼が好きな言葉であるニーチェの『ツァラトゥストゥラ』に出てくる言葉「きみは、きみ自身の炎のなかで、自分を焼きつくそうと欲しなくてはならない。きみがまず灰になっていなかったら、どうしてきみは新しくなることができよう!」に触れ、この言葉も本当にニーチェの『ツァラトゥストゥラ』に出てくるかどうかを確認して下さい、と〆ています。

最初から途中の話の展開、そして最後の落ちまでさすが「最高学府」の教養学部長になられただけあるなと感心する文章でした。皆さん必ず原文を読んで下さい。

私はこの式辞について何一つ反論もなく同意しており、また自分も普段から気をつけている事でもあります。例えばFaceBookで、どう見ても眉唾な情報が安易にシェアされたり、コメントされたりして拡散しています。WHOがこう言っていたから危険!と煽っておいて、元のWHOの記事を探しても出てこないというような事です。これはFaceBookが悪いのではなく、使う側の問題です。

かく言う私も全く身に覚えがないわけではありません。過去にうっかりこのような眉唾な情報を拡散するお手伝いをしてしまったこともあり深く反省した事が何回もありますし、今後も注意はしていても思わず騙されてしまうこともあると思います。とは言え、気をつけているのと気をつけていないのでは全然違いますので、普段から注意しています。

そして今回この式辞に追加して私が伝えたいことは、注意しなくてはならないのはネットだけではないということです。現実世界の友人知人の話、店員さんから聞いた話、何気なく書いてある看板やポスターなどの情報、場合によっては書籍に書いてある情報など、どんな情報でもその情報を伝えた人に悪意があるか悪意がないか関係なく間違っている可能性があるということです。

もちろん毎回全部直接資料にあたっていては大変すぎて時間がいくらあっても足りません。物事の重要性や自分なりの真実に対する勘みたいなものを養っておく必要があります。普段から気をつけていればこの情報はちょっとおかしい気がするから気をつけて調べようとか、これは多分大丈夫そうだとか、ある程度わかるようになるでしょう。

私が経営者という特殊な立場だから(余談ですが実は来月で社長として丸10年が経ち、11年目を迎えます)と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、関係ありません。もちろん私の立場上万が一間違った情報で動いてしまったらaegifとaegifメンバに迷惑がかかるため特に慎重になるというのはありますが、経営者という立場でなくても十分注意してしすぎる事はありません。

例えば海外旅行によく行く方は、店員さんや警察官に平気で間違った事を教わった経験はあると思います。その時に単に店員さんや警察官に言われたからそれを信じるのか、最初からそういうこともあると思って事前に調べておいたり、その後裏を取る努力をしたりという事で状況は大きく変わります。

他にも日本の携帯電話販売会社の店員にプランや契約内容について間違った事を言われた、あるいは間違った事は言われていないけれども有用な情報を教えてもらえなかったなどと言ったこともあると思います。証券会社から絶対に儲かる!と言ってかわされたら大きく損したとか、不動産会社の営業の人のいうことを信じたら失敗したという話も聞いたことがあるのではないでしょうか。

また、友達に聞いた話が本人も勘違いしていて間違っていたとか、知人に安くて美味しいと教えてもらったお店が行ってみたら高くてまずかったとか例をあげたらきりがありません。この様な情報を教えてくれるのはありがたいことですし、そもそも教えてもらえなければ一生知らなかった事もあると思いますので聞くこと自体は積極的に行うべきですが、自分の中で正否を判断する気持ちを忘れてはいけないということです。

とは言え、余り行き過ぎてしまうと軽く人間不信になったり、世の中の事を全て信じられなくなってしまうので注意が必要です。目の前の事を確認などせずに信じてしまいたいという欲求を抑えつつ、必要な元情報の確認を必ずする習慣をつけてください。習慣化してしまえばそんなに手間なことでもなくなります。

みんなが間違った情報の拡散に手を貸さないようになれば、世の中は今よりも少しだけ良くなるのではないでしょうか。

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