先日レーシックの検査に行ったところ、先生から老眼の話をされました。「え!?、もう老眼なんですか?」と聞いたところ、笑いながら「その年で老眼の人はいませんよ。早くても40歳、遅ければ45歳ぐらいだから安心して下さい!」と言われ、オイオイあと5年ぐらいしかねーじゃねーか・・・と思い、ちょっとブルーになったイージフのフジイです。年取ると段々昔話が増えるとかいうし、いやですね、ほんと。
さて、先日「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」(杉本 宏之著)を読んで、ふと自分とaegifのリーマンショックの時の事を思い出しました。当時のaegifのオフィスはリーマンブラザース日本法人の1F下のフロアでしたし(笑)。
あの時は本当にやばかった。
とにかく本当に運が良かったとしか思えない。せっかくなのでリーマンショック前後にaegifで起こったことと私の事を少しだけ書いてみたいと思います。
今思い返しても、なぜリーマンショックの間に事業を縮小せず、リストラも一切せず、オフィスの移転もせずに普通に生き残ることができたのか分かりません。私の精神状況も追い詰められていましたし、会社の業績も悪化の一途でした。
杉本さんの本を読んで、規模は違いますので精神的なプレッシャも違うとは思いますが、経営者として当時の精神的にキツイ状況は心から分かります。今は再度起業して復活されたという事のようですので、お話をしたことはありませんが心から良かったなと思います。
順風満帆
2007年秋。
2006年にaegifの会社を設立して1年半。事業は絶好調に伸びていました。何も営業をしなくてもお客さんから引き合いがドンドン来て、ほとんどをお断りするという状況です。営業などは一切しないで大手のコンサルティング会社のパートナ企業としてその企業から割の良く面白そうな仕事をドンドン受注していました。
メンバーが足りない。
その時点で社員の数は10人にも満たない小さな会社ですが、物凄い勢いで仕事の依頼だけは来ており、その時の10倍や20倍のメンバーがいても回せるぐらいの状況でした。私自身もせっかく頂ける依頼は少しでもお役にたちたいという気持ちが強く、クライアントワークを100%の稼働率でこなしながら、aegifの仕事もしていました。実際、起業してから3年ぐらいは平日も土日も夜までほとんど休みなく働いていました。
とにかく拡大したい。
そのためには採用をドンドンしないといけません。とは言え、誰でも良いというわけではなく良い人を採用しなければならない。日々どうやったら良い人を採用できるのか、そんなことばかり考えていました。
六本木ヒルズにオフィスを構える
そんな時、オフィス更新の話が来ました。その時のオフィスには何の不満もなかったので基本的に移転するつもりはなかったのですが、せっかくの機会なので色々見てみようかという気持ちになり、お世話になっている仲介業者さんに物件のリストアップをお願いしました。
その物件リストの中に六本木ヒルズが。
最初は「え?まさか?!」という気持ちだったのですが、色々その時の状況でシミュレーションをすると財務的には厳しさはあるもののその時の業績を考えると不可能ではありませんでした。むしろ、オフィス移転によって応募者やクライアントに向けても良い効果がでれば一層成長を加速できるかもしれません。
しかも何より他の同レベルのオフィスに比べて条件がとても良かったのです。とにかくどうやったら良い人を採用できるのかを日々考えていた我々にはとても魅力的な話だと思えました。
少し話がそれますが「なんでヒルズなんですか?」とヒルズ族的な視点で聞かれることがあるのですが、大規模で有名なオフィスで一番条件が良かったのが六本木ヒルズだったのです。もし丸ビルやミッドタウンが同様の条件であればそちらに入ったはずです。
会社にとって重要な決断をするときはいつも取締役の3人で相談をします。大体こういう時は副社長の石井が止める役割をするのですが、この時ばかりは彼も止めませんでした。むしろ会社を作って2年も経たないうちにレンタルオフィス等ではなく正式に六本木ヒルズにオフィスを借りられるかもしれないという可能性に3人でワクワクしていました。そして、正式に申込をして、審査が行われ、無事審査を通りました。その瞬間は本当に嬉しかった。これでaegifもちょっとは世の中に認められた存在になった気がしたからです。
順調な採用
同時期、積極的に採用活動も行っていた効果が出ており、順調に内定を重ねていました。主にメンバの友人や後輩中心だったのですぐの入社とは行かず、大体3か月〜半年後に入社してくれるメンバがどんどん増えていました。結果その時在籍していたメンバと同じ人数のメンバが2008年7月1日までに入社してくれる事になりました。
オフィスをヒルズに移転する事がきまり、メンバも採用も順調で、更に業績も相変わらず絶好調でした。その時自分は事業なんて簡単だな、もしかして自分は経営の才能があるのかもと、バカみたいに勘違いしていました。
そして2008年1月7日のaegif新年会にて、意気揚々で会社のメンバに六本木ヒルズにオフィスを移転する事を伝えました。みんなでやってきたaegifという会社が順調に成長しているんだという気持ちを伝えました。その時に、あるメンバから言われた一言を今でも覚えています。
「六本木ヒルズへのオフィス移転は確かに凄いことだと思いますが、大丈夫ですか?」
私はメンバー達に財務的に業績的にも大丈夫という説明をしました。この言葉がまさかその先の事を占う一言だったとは。実際にその頃、世界のニュースでサブプライムローンが危ないかもしれないという話があって、実際にBNPパリバ傘下のファンドが資産凍結したなどのニュースを聞いて注意をしていましたが、自分たちにはそんなに大きな影響はなさそうだとタカをくくっていました。何せ目の前の業績が絶好調だったわけですから。
この言葉をこの時もっときちんと聞いていれば、その後の1年間で起こることをもっと上手に乗り切れたのではないかと今でも思います。
「リーマンショックの時にaegifに起きたこと(中編)」に続く...
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