2007年8月20日月曜日

サブプライム問題

先週の大きな問題といえば、なんと言ってもサブプライム問題です。



サブプライムとは、金融機関の審査によって信用力があると認められた債務者(プライム)に対して、信用力がないとされた債務者のことをいい、サブプライムローンとはサブプライム層を対象とした住宅ローンのことを指します。
一般的には、所得が低い層に対する貸付ですが、他にも過剰に債務を負って不動産投資を行っている層なども含まれるようです。



サブプライムローン市場がバブル化しているのではないかということは、以前から問題視されていました。それが、今年に入りサブプライム専門の大手金融機関が破綻したことや、米格付け会社がサブプライムローンを組み込んだ住宅ローン担保証券を相次いで格下げしたことをきっかけに、サブプライム問題が顕在化しました。サブプライムローンは金融経済の最先端で発生し、我々にとってはほとんどブラックボックスのような状態となっているのです。しかも我々に大きな影響を及ぼす可能性を秘めています。



私は改めて金融経済というのは怖いものだと思いました。
実体経済と関係のないところで、実体経済の数倍もの規模で動いています。誰にも気付かれず何らかの矛盾が発生し徐々に蓄積していきます。そしてある日突然、その矛盾が莫大な損失として顕在化します。これはよく「調整」という言葉で表現されています。
サブプライム問題に限らず、1992年の日本のバブル崩壊、1997年のアジア通貨危機1999年のLTCM破綻、2000年のITバブル崩壊などの大きな調整が記憶に新しいです。その後は世界的に安定した好景気となっていたので久しぶりの大型の調整が来たという感じだと思います。
サブプライムですが、最大1000億ドル(約12兆円)の損失が発生する可能性があることが示唆されています。金額が大きすぎるため実感が沸きませんが、トヨタの当期純利益7年分、日本の消費税6%、日本の平均的なサラリーマン200万人分の年収に相当する損失と考えば物凄い金額です。



私も以前、株式売買を積極的に行っていましたが、今は専ら投資信託を購入して放置するだけで、自ら売買することは全くありません。それは単に株式売買の才能がなかった(というより身近に天才的な人がたくさんおり、自分はその領域まで到達できそうもなく限界を感じた)だけではなく、投資関連の仕事を行う中でこのような金融経済の怖さを知り、また無意味な感じがしたからです。



株式売買を上手に行い、どんなに儲かったとしてもそれは反対に損をしている人がいますのでゼロサムです。つまり、株式で儲けても、それだけでは何ら社会に貢献していることになりません。もちろんそのお金を上手に活用できれば何らかの形で社会に貢献できるのだと思いますが、私には上手に活用する具体的なイメージが全く掴めませんでした。長期的な視点に立った、社会に役に立つような投資行動を取ればよかったのでしょうが、私は自分で何でもやりたい方なので、それは向いていないと思いました。結果、利益を得るために大きな精神的なプレッシャーを受ける割に、利益の金額もたいしたことなくまた人の役に立っているような気も全くしませんでした。




aegifは現在、株式投資等は行わずaegifのビジネスに集中しています。今後もこの方針は変わりません。
ただ一方で、金融経済は実体経済と経済全体の景気へ強い影響力を持っていますので、注意しなければならないと思っています。今は経済がグローバル化していますので、海外の住宅ローンの問題が、一見全く関係ないように見えるaegifのビジネスに大きな影響を及ぼす可能性は否定できないからです。



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